JR四国「脱・四国戦略」本腰? 岡山駅前「新ホテル出店」は必然? 制約を打破する「本州進出」と多角化の勝算とは
JR四国とJR四国ホテルズは、岡山駅前再開発に177室の新ホテルを2027年春開業予定と発表した。四国島外進出を加速させる戦略で、宿泊特化型からシティホテルまで多ブランド展開を進め、2030年度までに年間売上2億円規模を目指す。
既に姫路で布石が打たれていた本州進出

JR四国とJR四国ホテルズは2025年10月1日、岡山市駅前町一丁目の再開発地区に新ホテルを出店すると発表した。対象は「岡山市駅前町一丁目2番3番4番地区第一種市街地再開発事業」のホテル棟である。再開発事業は岡山市の玄関口となるJR各線「岡山」駅東側街区で進められる複合開発で、ホテルの開業は2027年春頃を予定している。
新ホテルは新しいブランドでの出店を計画しており、客室数は177室。付帯施設として
・ダイニング
・宿泊客専用ラウンジ
・温浴施設
・ジム
などを備える。結婚式場などを完備したフルサービスのシティホテルではないが、宿泊特化型のビジネスホテルよりワンランク上のホテルを想定している。
JR四国グループは、ホテル事業を鉄道事業以外の成長基幹事業と位置付け、四国内外への出店拡大を進めてきた。2022年11月には、JR西日本ヴィアインが営業していた「ヴィアイン姫路」を宿泊特化型ホテル「JRクレメントイン姫路」としてリブランドオープンしている。
今回の岡山駅前での新規出店は、駅前再開発と新ブランド出店の両面で注目される。各メディアも「JR四国グループのホテルが四国外に進出」と大きく取り上げた。姫路で既に布石が打たれていたこともあり、元々はJR西日本グループからの移管という側面もある。