「EVの公用車」は必要か不要か? 脱炭素と防災の「板挟み」――自治体直面の現実を考える
向日市は公用車63台のうち23台をEVに切り替え、2030年度までに排出量半減を目指す。しかし災害時の停電リスクや制度疲労が課題となり、PHVやV2Xを組み合わせた脱炭素と防災の両立策が全国的注目を集める。
公用車EV導入の課題

京都新聞は2025年9月24日、京都府の南西に位置する向日市(むこうし)が進める公用車の電気自動車(EV)への切り替えについて、同市監査委員が防災面で懸念を示したと報じた。同市は「ゼロカーボンシティ」を宣言し、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。2023年からは公用車を順次EVなどの環境配慮車に切り替えている。
この計画に対し、向日市監査委員は2025年5月の定期監査報告で指摘した。EVは非常電源として活用できる利点がある一方、充電手段の確保や充電時間など課題もあるという。また災害時に公用車が果たすべき役割を踏まえ、
「確実に作動することが必須」
と強調し、防災部局との調整を求めた。
公用車の利用範囲は日常業務にとどまらない。災害時には
・救援
・避難誘導
など、ライフラインとしての機能も求められる。地球温暖化対策と防災の狭間で揺れる地方自治体のジレンマは、全国的な政策課題を浮き彫りにしている。