え、こんなに手ごろなの? バブル世代の「クルーズレジャー」 いまやランチは1万数千円~、ご褒美消費に大変身
若年層のバブル期文化への関心が再燃するなか、当時の象徴的レジャー「クルーズ」が現代でも注目を集める。東京湾ディナークルーズは土日祝で約2万円~と手頃化し、女子会や家族利用も増加。中高年層のゴージャス志向とインバウンド需要が市場拡大を後押しする。
バブル期女性と消費力

近年、若い世代の間でバブル期のファッションや音楽、アートへの関心が高まっている。当時は今ほど多様な個性はなかったが、独自のスタイルが存在していた。その象徴的レジャーがクルーズレジャーである。本稿ではバブルとクルーズレジャーの関係性と現在の状況を整理する。
バブル期の女性は非常に元気だった。1986(昭和61)年の男女雇用機会均等法施行により、女性の社会進出が本格化した時期である。学校卒業から結婚までの間、自由に使える収入を得た女性は、旺盛に消費した。ファッションやメイクに惜しみなくお金を使い、
・前髪をくるりと巻いたワンレン
・ボディコンスーツ
・太い眉のメイク
など独特のスタイルを生み出した。レジャーや自己研鑽にも積極的で、20代働く女性は当時の消費リーダーだったといえる。
男女交際至上主義の風潮もあった。男性は元気な女性の気を引くため努力を惜しまなかった。女性を誘うマニュアル本も出版され、多くの男性が実践した。女性をいかに満足させるデートに誘えるかは、当時の男性の関心事であった。
金銭的に余裕のある時期だったため、女性はグラマラスでゴージャスな体験を求めた。食事はホテルのフレンチや人気のイタリアンが定番だが、それだけでは物足りない。そこで注目されたのが「クルーズレジャー」である。