宿泊費高騰を乗り越える! 「夜行フェリー」相部屋なら7000円? 万博特需を超えて“動くビジネスホテル”定着なるか

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大阪・関西万博を契機に夜行フェリーの利用が急増している。九州~大阪間は片道7000円~で宿泊費も節約可能。ワーケーション対応や充実した船内設備を背景に、コスト効率の高い非日常体験として新たな旅行需要を開拓している。

夜行フェリーの需要拡大

夜行フェリーのイメージ。生成AIで作成。
夜行フェリーのイメージ。生成AIで作成。

「船旅」と聞くと、何を思い浮かべるだろうか。近年では、日本各地に寄港する大型クルーズ船旅を連想する人が多いだろう。船旅には豪華なイメージがある。近年は客層拡大のため料金が下がり、よりカジュアルになったクルーズ船も増えた。しかし、それでも高額であることに変わりはない。主に時間やお金に余裕のあるリタイア層や富裕層が利用する印象が強く、一般消費者には縁遠い存在だ。

 ところが最近、船旅の利用形態に変化が出ている。2025年は大阪・関西万博の開催を契機に、

「夜行フェリー」

の利用者が増えている。夕方に出港し、翌朝早朝に目的地に到着する便だ。九州~大阪間の料金は、個室で片道約1万円、安い相部屋なら7000円程度(時期による)。新幹線や飛行機よりも安く、一晩の宿泊も兼ねられるため、ホテル代の節約にもなる。時間効率も高く、大阪・関西万博への「0泊弾丸ツアー」も可能だ。こうした利用拡大の背景には、

「高速バスの利用増加」

と同じ動機があると考えられる。

 国内のホテルや旅館の宿泊料金は急激に高騰している。インバウンド需要の拡大にともない、一般消費者を置き去りにする

「強気の価格設定」

が続く地域もある。客室不足が深刻な地域もある。一方で、長引く物価高で家計は節約志向を強めている。このため、夜間に運行する交通手段を利用して旅費を抑える消費行動が顕在化している。

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