「昔はバイトで買えたのに」 新型プレリュード617万円、高額設定にネット反発で若者は遠のくのか?
平均年収がほぼ横ばいのまま30年が過ぎるなか、ホンダが復活させたプレリュードは最低価格617万円という高水準に達した。かつてアルバイトで手が届いた「デートカー」が、今や年収の約1.3倍に跳ね上がり、若者との距離が広がる。技術投資や世界市場戦略、円安・物価高が絡む構造的要因の一方で、国内所得停滞が自動車文化を細らせつつある現実を浮き彫りにしている。
20代憧れデートカーの変遷

1980年代から1990年代、プレリュードやソアラ、シルビアといった「デートカー」は20代にとって憧れの存在であった。
デートカーとは、若者の初期の自動車体験と恋愛文化が結びついた車種を指す。スタイルや走行性能に優れ、ふたりの時間を演出することを重視していた。バブル経済期の恩恵を受けた現還暦世代は、大学生時代にアルバイトで相応の金額を稼ぐことができた。自家用車を持ち、デートに利用すること自体が一種のステータスとなっていたのである。
一方、Z世代(1990年代後半から2010年前後に生まれた世代)は生まれた時からインターネットが存在し、リアルワールドだけでなくバーチャルワールドでの楽しみも抱く。加えてコロナ禍で親の仕送りが減少し、アルバイトで貯めたお金も学費の補填や奨学金返済に充てられる傾向が強まった。
平成に入った1990(平成2)年前後のプレリュードの価格は200万~250万円台であり、大学生や新社会人にとって
「背伸びすれば届く」
水準であった。当時の平均年収は450万~470万円程度で、現在の600万円超と比べると大きく水準が変化している。時代と世代の経済環境の違いが、プレリュードの購買可能層にも大きく影響している。