恐怖の「あおり運転」描いた50年前の洋画 ドラレコなき時代、日常で出くわす「理不尽な悲劇」とは
日本国内で急速に普及したドライブレコーダー。あおり運転の対抗策としても評価されているが、これがなかった時代の「路上での理不尽」とはどのようなものだったのか。その一端を垣間見ることのできる米映画がある。
暴走タンクトレーラーが表す社会背景

ストーリーについての詳述は割愛するが、要するに路上でのささいな行き違いから最終的には悲劇的な最後に至るというストーリーだ。
暴走行為を繰り広げるタンクトレーラートラックの運転者は、足先と左手以外は画面には登場せず、あたかもトラックそのものが意思を持った生き物のように描かれていたのが印象的だった。
この映画はもともとテレビ用に製作された低予算映画であり、特にマニアックな層を対象としていたわけではなかった。
すなわち製作された1971年当時のアメリカの路上では日常的に起こっていた、もしくは起こりうるトラブルだったことが推測できる。
もし当時、ドラレコがあったら
ちなみに実際の画面上の映像は、後方から猛スピードで迫る様子、前方でスピードを落とし進路を妨害する様子など、当時にドライブレコーダーがあったならこんな映像が記録されただろう? と思わせるシーンであふれていた。
そういった意味でも、今あらためて作品を見るとドライブレコーダーがある現代に生活していて良かったと心から思うのである。
筆者の手元には、アメリカのとあるヒストリック・トラックショーで偶然にも遭遇した、映画の撮影に使われたタンクトレーラートラックそのものの写真がある。
車種と年式は、1960年型ピータービルト351。タンクトレーラーはトレイルモービル製だったと記憶している。