観光客「一度行けば十分」 そんな名古屋が“水上交通”に執念を燃やすワケーー「道路王国」なのになぜなのか

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名古屋市は年間数万石の物流を支えた堀川・中川運河を再生し、水上交通や親水空間を復活させる。都市ブランド向上と観光・生活価値の向上を狙い、2026年には複合施設も開業予定だ。

道路都市の川再生

中川運河の水上バス(画像:名古屋市)
中川運河の水上バス(画像:名古屋市)

 名古屋と聞いて「水上交通」を思い浮かべる人はほとんどいない。川や運河といえば大阪、港町といえば横浜、観光遊覧船といえば京都や広島を思い浮かべるかもしれない。名古屋にはそうしたイメージは皆無である。むしろ、水に縁遠い都市という印象すらある。

 ところが近年、名古屋市は堀川や中川運河を舞台に

・水辺再生
・水上交通復活

に取り組んでいる。親水空間の整備や舟運の社会実験も進め、かつて物流の大動脈だった川筋を市民や観光客の場としてよみがえらせようとしている。

 では、道路網が発達した「道路王国」名古屋で、なぜ水上交通を打ち出すのか。市民の間では

「そんなの誰が使うのか」

という素朴な疑問が先に立つ。実際、栄近くの水辺は歓楽街に隣接し、観光地らしい華やかさとは趣が異なる。港エリアも生活色や地元色が強く、リゾート的なイメージにはつながりにくい。

 それでも市が執念を燃やす背景には、単なる交通利便性を超えたテーマがある。それは「都市ブランド」という名古屋の都市構造の宿痾(しゅくあ)に関わる課題だ。水運の歴史をたどることは、名古屋という都市の矛盾と可能性を読み解くことにつながる。

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