都営バスの渋谷営業所は、なぜ「都営住宅の敷地内」にあるのか?

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山手線内の一等地に立地する都営バス渋谷営業所は、敷地内に1969年竣工の都営住宅を併設。110台規模の車庫と住宅の共存は、高度経済成長期の都市交通と住宅政策が結びついた先駆的モデルであり、都市の効率的土地活用と公共交通維持の課題を浮き彫りにしている。

車庫併設住宅が示す生活密着型交通

都営バス渋谷自動車営業所(画像:(C)Google)
都営バス渋谷自動車営業所(画像:(C)Google)

 渋谷営業所の収容台数は110~120台程度だ。単純計算でも敷地面積は4000平方メートルを超える。所管系統は

・都01系統
・RH01系統(グリーンシャトル)
・都06系統(グリーンエコー)
・田87系統
・学03系統
・学06系統

である。いずれも営業所から近い渋谷駅や恵比寿駅を起点としており、出入庫距離は極めて短い。効率的な運行が可能となる立地だ。

 さらに敷地を都営住宅と共用することで、維持費や管理費の分担効果も得られる。渋谷の場合、立地のよさと家賃の安さから入居希望者が常に多かったとされる。営業所と住宅が隣接していることで、定期券や乗車券の購入も容易になる。都市生活と路線バスを結びつける意味でも、このモデルは有効だ。コロナ禍以降、各地で

「定期券売り場が閉鎖された」
「営業時間が極端に短い」
「販売窓口が遠い」

といった声が増えている。路線バスの身近さを維持するには、営業所と住宅を一体化させる仕組みの重要性が改めて浮かび上がっている。

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