電気自動車が「戦後日本」でブームに! でもあえなく衰退、一体なぜ?
世界的潮流として普及への取り組みが加速するEV。その歴史をたどりながら今後の展望を考える。
現在のEVシフトが過去と決定的に異なる点
二度のオイルショック以降、主として中東地域の政情不安に伴って電気自動車が短期的に注目されることはあった。
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イランイラク戦争や湾岸戦争など、その都度原油供給危機がうわさされるとともに電気自動車の存在が取りざたされることはあったが、少なくとも20世紀中はあくまで内燃機関自動車の一種の補完勢力でしかなかった。
社会的背景に強く左右される存在、それが電気自動車だった。しかし、近年の進化を重ねた新しい世代の電気自動車であるピュアEVへの急激なシフトは、これまでの一時的な流れとは少々様子が異なっている。
メーカーの全精力を注ぎ込んだ車輌そのもののたゆまぬ進化はもちろんのこと、何よりも街中の急速充電スタンドの普及などは、過去の電気自動車ブームでは存在しなかった事実である。
官民一体となっての社会全体の盛り上がりに加えて、コストが掛かるインフラの構築を伴っているという意味では、この流れはもはや揺るぎないと言って良いだろう。
電気自動車は100年の時間を掛け、さまざまなエピソードの末にようやく社会そのものに受け入れる基盤ができたということなのかもしれない。