なぜスバル愛好者はネットで「オタク」と呼ばれるのか? 閉鎖的コミュニティーが生んだ「偏見の正体」

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スバル車の販売台数は2024年度約10万台と少数派だが、熱心なユーザー層「スバリスト」は強固なネットワークを形成する。しかし「オタク」と揶揄される現象はネット文化とブランド構造が生む偏見であり、同社は認知改善とブランド再定義に取り組んでいる。

スバリスト像の実態

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

「スバリスト」とは、スバル車を熱心に愛好する人々を指す。特定の車種に限定せず、メーカー全体への強い愛着やこだわりを持つ点が特徴だ。

 一方、Googleでスバリストと入力すると、関連候補に

・オタク
・特徴
・服装

といった、明らかにポジティブではない単語が表示される。SNSや掲示板でも、面倒くさい、一癖ある人、こだわりが強すぎる人の代名詞のような揶揄が散見される。

 実際、質問サイトには「父親から譲られたBLレガシィ2.0GTを大切に乗っているが、ネットで調べたらスバル乗りは“陰キャ”“オタク”と書かれておりショックを受けた」という投稿がある。また、2025年7月にYouTubeで公開された「スバリストあるある」に関する歌の歌詞では、

・「キモオタブルー?」言わせとけよ
・俺はスバリスト! 誇り高きマイナー派
・メガネとシャツイン、これが正装
・輩どもには負けない知性と情熱
・「キモい」だって? それは勲章
・愛車に乗れば人格変わる
・キモくて、カッコいい、それがリアルな俺らさ

といった表現が並び、ユーザーの個性やこだわりが過剰に誇張されていることがわかる。

 この現象はネットスラングという一言だけでは片付けられないだろう。産業構造、購買層、文化的背景が複雑に絡み合った結果である。スバル車の特性やユーザー層、メーカーの独自性が、こうした認識を生む要因になっていると考えられる。

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