なぜ「青山一丁目駅」はあるのに、住所は存在しないのか?

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東京の主要交通結節点「青山一丁目駅」は、実際の住所には存在しない名称を冠している。この地名は、混乱を孕みつつも、不可欠な都市の歴史的記号として機能し続けている。

住所なき駅名の都市価値

交差点(画像:写真AC)
交差点(画像:写真AC)

 こうした「存在しない住所を冠した駅名」は、単に混乱を招くだけの存在なのだろうか。

 確かに、地図検索や郵送、行政手続きなどの場面で誤解を生むこともある。しかし一方で、これらの名称は都市の記憶や歴史を反映する「記号」としての役割を果たしている。

 制度上は存在しない住所であっても、利用者間で共有され、交通インフラのなかで機能し続ける限り、その地名は都市の一部として実質的に存在し続ける。

 青山一丁目という駅名は、明治期の旧町名、路面電車の停留所、そして地下鉄網の発展という都市の多層的な歴史を内包している。こうした観点からすれば、名称だけが残存するこの地名は、都市における制度と記憶の乖離を象徴する存在といえる。

 住民票に記載がなくとも、青山一丁目は確かに東京の都市空間の中に存在しているのだ。

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