「自衛隊に入ればこの世は天国」 防衛省のPRソングとしても秀逸? 1969年・高田渡「自衛隊に入ろう」を考える

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1969年に発表された高田渡の「自衛隊に入ろう」は、当時の自衛隊勧誘の実情を皮肉を込めて描いた異色の楽曲だ。高度成長期の混沌と反戦運動のなかで生まれ、複雑な歴史背景とともに今なお響きを持つこの曲は、国防や自己責任といった現代的課題にも通底する。

変わらぬ欺瞞の構造

自衛隊(画像:写真AC)
自衛隊(画像:写真AC)

「アメリカさんにも手伝ってもらい 悪いソ連や中国をやっつけましょう」

この曲に対しては、一部の保守層から反発の声が上がるだろう。彼らは歌詞に込められた皮肉や風刺の意図を必ずしも受け止めず、

「自衛隊を貶める反日的な曲」

と評価する。自衛隊の存在意義や国防の重要性を重視し、この曲への批判を「愛国心の不足」や「左翼のプロパガンダ」として否定的にとらえるかもしれない。SNSなどでは、この曲の歴史的背景や表現の複雑さにあまり触れず、感情的な反応が目立つことも予想される。そうした反応もまた、この曲が投げかける多様な解釈を促す

「仕掛け」

の一部と見ることができるのだ。

 長崎は本日、80回目の「原爆の日」を迎えた。

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