「軍事マニア」はなぜ劣化したのか? ミリタリー記事が「スーパーカー記事」に酷似する構造的理由! 性能至上主義&批評不在がもたらす「思考停止」のワナとは
ミリタリー記事は、数字の羅列と性能至上主義、そして批評の欠如という独特のスタイルを持つ。それは、かつてのスーパーカー記事の手法を引き継いだものだ。本質を問わず、高性能=優秀という単純化された評価軸が生まれ、やがて暗記の文化へと変質していった。では、なぜこうした形式が定着し、軍事趣味の思考を狭める結果を招いたのか。その背景を掘り下げる。
共通する記事構成の系譜

ミリタリー記事はネットニュースで“鉄板コンテンツ”のひとつである。食事やマネー記事には及ばないまでも一定数の反応は確実だからだ。
その形態には独特の特徴がある。記事では一切の抽象性は排除されている。数字の列挙、性能への注目、そしてなによりも批評はしないことだ。
なぜ、そのような形態となったのか。
ミリタリー記事はスーパーカー記事の“子孫”だからである。ブームでデビューしたライターが軍事趣味誌に移り、抽象性を廃した記事の形態を持ち込んだ。その結果だからだ。