50年放置の「新幹線計画」動く? 全国知事が訴える「出国税1000円」増額と貸付料見直し――予算の壁を超えられるか
全国知事会は新幹線整備の財源拡充に向け、出国税とJRへの貸付料の増額を国に提案することを決めた。基本計画路線の整備計画格上げを目指す意向だ。
国の負担額は2020年度から固定

基本計画路線に順番が回ってこない背景には、国の予算が限られていることがある。2025年度の804億円は2013(平成25)年度までの約700億円から100億円ほど増額されているが、2020年度からは同額が続く。
北陸新幹線の大阪延伸は敦賀駅(福井県敦賀市)から福井県小浜市、京都市を経て新大阪駅(大阪市淀川区)へ向かう現在の小浜・京都ルートで着工されたとしても、国土交通省の試算では完成までに25~26年かかる見通し。それから整備計画に格上げする基本計画路線を決めたのでは、完成が22世紀になりかねない。
しかも、工事の資材価格が急騰している。北陸新幹線小浜・京都ルートの建設費は2016年のルート決定時に2兆700億円と試算されていたが、2024年の再試算で将来の物価上昇を考慮すると、4兆8000億~5兆2000億円(132%~151%増)にはね上がった。
小浜・京都ルートはトンネルが長く、割高になるのだが、1km当たりに単純計算で直すと345~361億円。北陸新幹線の他区間と比較すると、
・1997年開業の高崎(群馬県高崎市)~長野(長野県長野市):70億円
・2015年開業の長野~金沢(石川県金沢市):74億円
・2024年開業の金沢~敦賀:146億円
を大きく上回る。
小浜・京都ルートの試算額は年2%の物価上昇で計算された。今後、輸入価格の高騰や円安の急激な進行など不測の事態があれば、試算額はさらに上がる。その分、基本計画路線の出番が遅くなるわけだ。佐藤知事の下、新たな財源の検討を進めた大分県交通政策企画課は
「このままでは工期が何十年もかかり、新幹線整備が進まない。政府・与党に新たな財源を検討してほしい」
と力を込めた。