チャイルドシートは「金具固定」が新常識? シートベルト式が抱える事故リスクと最新基準の現状とは
欧州発の新基準「R129」によって急拡大するISOFIX対応チャイルドシート市場。装着ミスを防ぐ構造と高い安全性が評価され、新車の標準装備化が進む。国内の装着率は過去最高の78.2%を記録し、価格や機能をめぐる消費者意識も変化している。安全と経済性の交差点に立つ新市場の今を追う。
価格と利便性で分かれる選択基準

ISOFIX対応チャイルドシートの普及にともない、消費者の意識や選択も変化している。rentryが2023年に実施した調査によると、チャイルドシート選びで最も重視されているのは「価格」である。次に「レビューや口コミ」「メーカー」「追加機能」が続く。さらに「安全性」「取り付けやすさ」「持ち運びの利便性」も重要な理由に挙げられている。
調査では購入されたチャイルドシートの価格帯で、最も多いのは「2万円~3万円」である。1万円から3万円の製品が全体の半数以上を占めていた。追加機能では「回転式」(46.8%)、「持ち運び式」(36.8%)、「リクライニング機能」(33.6%)が人気を集めている。一方で課題もある。
・価格が高い
・車種によって装着できない
という問題が指摘されている。ISOFIXアンカーの有無や位置は車種や年式で異なるため、全車種に対応するわけではない。特に中古車や特別仕様車、特殊な座席形状の車両では取り付けが難しい場合があり、事前に適合情報の確認が必要だ。
また、ISOFIX対応チャイルドシートはシートベルト式より価格が高いことが多く、消費者にはコスト負担を感じる声もある。今後は利用者の声を反映し、利便性と安全性を両立しつつ普及のためのコスト削減が期待される。