EVだけじゃ脱炭素は不可能!「見えざるCO2排出」に集まる注目――素材転換が急務な根本理由とは
EV化だけでは不十分――自動車1台のCO2排出の約5割は製造段階に集中する。欧州勢は再生素材やバイオ樹脂を「戦略資源」と位置づけ、脱炭素とブランド哲学を融合。素材の選択が競争力を左右する新時代が始まっている。
EV脱炭素の盲点と課題

脱炭素実現に向けて、電気自動車(EV)化だけでは不十分との指摘が近年増えている。背景には、自動車製造にともなう素材由来のCO2排出がある。自動車1台には重量の約1割弱のプラスチックが使われており、大半は石油由来だ。走行時の排出をゼロにしても、製造段階の排出削減を行わなければ真の脱炭素とはいえない。
さらに、EVは車体が重くなるため、軽量化のために樹脂使用量が増加しやすい。また、バッテリー製造に大量のCO2が排出されるという逆説も存在する。
こうした課題を踏まえ、欧州の自動車メーカーはバイオ素材や再生プラスチックの導入で次世代EVの開発を進めている。例えば、BMWは2025年量産予定の「ノイエ・クラッセ」、ボルボ傘下のポールスターも製造段階から環境負荷軽減の構造改革に取り組む。
「燃料から素材へ」という視点の転換が、次世代モビリティ変革の重要な役割になるだろう。