EVだけじゃ脱炭素は不可能!「見えざるCO2排出」に集まる注目――素材転換が急務な根本理由とは
EV化だけでは不十分――自動車1台のCO2排出の約5割は製造段階に集中する。欧州勢は再生素材やバイオ樹脂を「戦略資源」と位置づけ、脱炭素とブランド哲学を融合。素材の選択が競争力を左右する新時代が始まっている。
欧州発「質の贅沢」トレンド

サステナブルな内装は消費者から「質感が劣る」と懸念される可能性がある。特に
「加飾 = 高級」
という価値観が強い市場では、こうした価値訴求が難しくなる。日本ではサステナブルへの関心は高いが、実際の消費行動に結びつくケースは多くない傾向にある。
しかし、欧州の自動車メーカーが目指すのは質素さの強要ではなく、
「新たなラグジュアリーの再定義」
である。具体的には、健康や快適性の向上が挙げられる。揮発性有機化合物(VOC)の低減により車内の空気質が改善され、ボルボやメルセデスベンツがこの取り組みを進めている。また、動物革を使わず植物素材を採用することでアレルギーや臭いのリスクを軽減し、BMWやポールスターが実践している。
さらに、軽量化による航続距離の向上も期待され、ポールスターやBMWが成果を上げている。麻繊維や布地の採用で肌ざわりや通気性が高まり、MINIやBMWの車内で快適な使用感を実現している。メルセデスベンツは、無駄を削ぎ落とした静かで上質な車内空間により、洗練された高級感を表現している。
このように、欧州のデザインは「派手さ = 高級」から「質の高さ = 贅沢」へと価値観を転換させているのが特徴である。