EVだけじゃ脱炭素は不可能!「見えざるCO2排出」に集まる注目――素材転換が急務な根本理由とは

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EV化だけでは不十分――自動車1台のCO2排出の約5割は製造段階に集中する。欧州勢は再生素材やバイオ樹脂を「戦略資源」と位置づけ、脱炭素とブランド哲学を融合。素材の選択が競争力を左右する新時代が始まっている。

ブランド戦略としての環境思想

2025年6月25日発表。主要12か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)
2025年6月25日発表。主要12か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)

 欧州のサステナブルは、哲学、経済合理性、地政学的独立性が一体となって動いている。

 EV化は確かに不可逆的なトレンドだが、万能ではない。インフラや電源構成、レアメタル依存など、地政学的リスクを抱えている。一方、素材の脱炭素化はあらゆる車種や地域に適用可能な普遍的解であり、安定した価値軸となる。

 欧州メーカーはこれを単なる環境対策とせず、ブランド哲学や国際競争力と結びつけた戦略に昇華している。短期的なコスト課題はあるが、理想を制度や市場に組み込む姿勢は一貫している。

 日本市場ではサステナブル素材に対する誤解も根強いが、技術革新によりコストも性能も日々改善されている。日系メーカーも欧州同様、早期からリサイクル素材やライフサイクルアセスメントに取り組んできた。ただし、ブランド哲学や物語で語る欧州とは異なり、

・技術力
・実用性

重視の実直なアプローチが中心だ。素材の高度化は進めてきたものの、その意義や世界観を積極的に発信する姿勢に課題が残る。重要なのは、

「脱炭素 = 競争力」

への発想転換だ。素材から始まるサステナブルは、自動車産業にとって不可避であり、本質的な競争軸となるだろう。

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