自殺率G7最悪の日本! 公共交通は「孤立・孤独」の連鎖を断ち切れるのか?
日本の自殺率と世界比

世界保健機関(WHO)が発表した主要7か国(G7。フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の自殺死亡率(死亡率とは、人口10万人当たりの死亡数)を見ると、日本は16.5で最も高い数値となっている。男女別に見ると、男性は22.6で2位、女性は10.8で1位だった。
さらに世代別で見ると、10歳~19歳と20歳~29歳の年齢層で日本の自殺が死因の第1位となっている。10歳~19歳の自殺死亡率は7.0、20歳~29歳は21.3と、他の要因よりも高い数字を示している。男女別・世代別のいずれにおいても、日本は自殺の深刻な問題を抱えていることが明らかだ。
G7に限らず、経済協力開発機構(OECD)のデータによれば、自殺死亡率の高い上位20か国の中で日本は15.4で4位に位置している。1位は韓国の24.1、2位はリトアニアの18.5、3位はスロベニアの15.7である。
厚生労働省自殺対策推進室と警察庁生活安全局生活安全企画課がまとめた報告書「令和6年中における自殺の状況」(2025年3月28日公表)によると、令和6(2024)年の自殺者数は2万320人で、前年から1517人減少した。男性は1061人、女性は456人の減少となり、ほとんどの年齢階層で減少傾向にある。しかし、19歳以下の女性では51人の増加が確認されている。
職業別では、有職者や無職者の自殺は減少したが、学生・生徒などの若年層で58人の増加が見られた。特に小中高生の自殺者数は前年から16人増加し、529人に達した。これは1980(昭和55)年以降で最多の数字である。原因・動機別に見ると、学校問題が増加している一方、
・家庭問題
・健康問題
・経済・生活問題
・勤務問題
・交際問題
などは減少している。若年層の自殺が増加していることは、日本にとって大きな課題である。