「戦車 = 絶対必要」は大間違い? 軍事オタクごり押しも、本土決戦論の空洞と「撃ち漏らし」想定の限界
中国の上陸戦や米軍来援を前提に「戦車不可欠論」を主張する声が根強い。だが、それらは現実性を欠いた想定にすぎない。戦史と軍事合理性を踏まえれば、平時の戦車整備は必要性に乏しい――元自衛官が冷徹に切る「戦車信仰」の危うさ。
「上陸前提」の想定破綻

戦車に関連する記事は反響が大きい。以前の「軍事オタクはなぜ“戦車”に執着するのか? 「いいえ、航空機・艦船にも執着します」(2025年5月11日配信)にも多くの反応を得た。元中級幹部自衛官の筆者(文谷数重、軍事ライター)としても好評を得られて何よりである。
そのなかには「戦車は不可欠である」旨の意見もあった。
・敵は日本本土に上陸してくる
・100%の海上撃破は不可能である
・米軍来援までの持久が必要だ
といった内容だ。これらの指摘は妥当なのだろうか。
残念だが、反論となるものではない。いずれの前提条件も非現実的だからだ。「『戦車不要論』は間違い」の結論から、無理に戦車が不可欠となる状況を作り出した本末転倒でしかない。