「戦車 = 絶対必要」は大間違い? 軍事オタクごり押しも、本土決戦論の空洞と「撃ち漏らし」想定の限界

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中国の上陸戦や米軍来援を前提に「戦車不可欠論」を主張する声が根強い。だが、それらは現実性を欠いた想定にすぎない。戦史と軍事合理性を踏まえれば、平時の戦車整備は必要性に乏しい――元自衛官が冷徹に切る「戦車信仰」の危うさ。

都合の良い逆算

戦車(画像:写真AC)
戦車(画像:写真AC)

「戦車不可欠論」の反論は無理に溢れているのである。

 たしかに、いずれの状況も物理的には実現可能ではある。仮想敵国である中国には

・開戦と同時に日本に上陸戦を挑む
・上陸船団が3割撃破されても作戦を継続する

との選択肢がある。米国にも、事前展開はせず開戦以降に軍隊を送る選択肢はある。しかし、採用する見込みは皆無だ。わざわざ不利を選ぶ選択である。下策、下下策どころか有害な愚策でしかない。

 結局は「『戦車不要論』は間違えている」から逆算した反論にすぎない。それに合わせて諸条件を都合よく配置しただけだ。

 今の軍事オタクに必要なのはそのような無理筋の反論ではない。まずは自らの足許を見直すことだ。界隈が常識としている「『戦車不要論』は間違い」を疑うことである。それは、戦車予算をつけるために40年前の陸自が考え出した方便でしかない。

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