常磐自動車道が全線開通するまで「34年」もかかった根本理由
首都圏と東北地方を結ぶ常磐自動車道は、全線開通から10年で経済波及効果3兆円超を記録。物流拠点の急増や観光客数の変動など、沿線地域に多様な影響を及ぼしつつも、震災復興や利用実態の課題も浮き彫りとなった。今後は単なる通過路線にとどまらず、地域活性化の基盤としての役割拡大が求められている。
全線開通後も減少続く入込客数

常磐道の全線開通により観光業は一時的に好調だったが、2020年のコロナ禍で急激に衰退した。2020年の沿道自治体の入込客数は、全線開通前の2013(平成25)年と比べ約7割にまで減少している。
福島県浜通り地区の入込客数をみると、2010年は約1615万人だったのに対し、2023年は約1186万人にとどまる。2010年のほうが多いのは、常磐道がまだ全線開通しておらず、北部は高速道路が通っていなかったにもかかわらずである。
高速道路が開通すれば必ず観光業が潤うとは限らない。地元自治体や観光関係者の努力はもちろん、利用者側も地域に興味を持ち、情報収集に敏感になる必要があるだろう。
また、全線開通で常磐道利用者は増加したが、常磐道が単なる目的地への経由路線となっている側面も否めない。都市規模の差から首都圏や仙台都市圏の利用が増えるのはやむを得ないが、常磐道を単なる通過点に終わらせない取り組みも求められている。