常磐自動車道が全線開通するまで「34年」もかかった根本理由

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首都圏と東北地方を結ぶ常磐自動車道は、全線開通から10年で経済波及効果3兆円超を記録。物流拠点の急増や観光客数の変動など、沿線地域に多様な影響を及ぼしつつも、震災復興や利用実態の課題も浮き彫りとなった。今後は単なる通過路線にとどまらず、地域活性化の基盤としての役割拡大が求められている。

物流拠点3倍増の急成長

疑問符のイメージ(画像:写真AC)
疑問符のイメージ(画像:写真AC)

 常磐道の全線開通による経済波及効果は約3兆円に上るとされている。年間では約3000億円の効果を生み出しているという。この3兆円がどのように創出されているのかが関心を集めるところだ。

 常磐道沿道の5県における経済波及効果を産業別に見ると、以下のような割合となっている。

・道路貨物輸送:31.0%
・金融・保険・不動産:11.0%
・商業・観光:9.0%
・電力・ガス・水道:7.0%
・建設:7.0%
・製造業・工業:6.0%
・情報通信:3.0%
・道路旅客輸送:3.0%
・農業:0.2%
・その他サービス・公務:23.0%

道路貨物輸送が全体の約3割を占め、経済波及効果の大黒柱となっている。常磐道の開通により沿道には多くの物流拠点が生まれた。物流拠点数の年次推移は以下の通りだ。

・1999(平成11)年:34か所
・2014年:95か所
・2024年(予測):187か所

1999年から2024年にかけて約6倍に増加しており、急速な発展がうかがえる。特に起点の三郷JCTから圏央道との分岐点であるつくばJCT付近の増加が顕著だ。

 物流輸送手段に占める自動車の割合も年々増加している。常磐道全線開通前後の2014年度と2022年度のデータを見ると、千葉県から宮城県間では37%から53%へ、茨城県から宮城県間では52%から67%へと大幅に伸びている。この伸びは常磐道の影響が大きいと考えられる。

 観光業への影響も見逃せない。常磐道沿道の自治体では、2013年から2019年にかけて入込客数が約1.3倍に増加している。沿道には以下のような魅力的な観光地が点在する。

・茨城県つくば市:筑波山
・茨城県牛久市:牛久大仏
・茨城県ひたちなか市:ひたち海浜公園
・福島県いわき市:スパリゾートハワイアンズ

このように常磐道の開通は沿道経済に大きく寄与しているが、経済波及効果の算出は常磐道の整備の有無による実質生産額の推計やETC2.0データを基にした利用者の圏域分析などを参考にしているため、あくまで推測の数字であることを留意しておく必要がある。

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