常磐自動車道が全線開通するまで「34年」もかかった根本理由
東北道優先の建設背景

常磐自動車道は、初区間開通から全線開通までに実に34年を要した。沿道の住民をはじめ、多くの人がようやく開通したと安堵したことだろう。常磐道は、1966(昭和41)年に改定された国土開発幹線自動車道の予定路線に含まれていた。高速道路の歴史から見れば、かなり早い段階で開通が計画されていた路線である。では、なぜこれほど時間をかけて全線開通したのか。
最大の理由は、同じ首都圏と東北地方を結ぶ主要路線である東北自動車道(東北道)との兼ね合いにある。東北道は、埼玉県川口市の川口ICを起点に、青森県青森市の青森ICで終点を迎える。東北道と常磐道は、起点は近接しているものの、終点は宮城県付近で相互に距離が近い路線だ。東北道は内陸部を走るのに対し、常磐道は海岸沿いを通っている点が特徴である。
東北道が優先された理由は主にふたつある。第一に、東北道は都市規模の大きな地域を通る路線であること。第二に、常磐道の建設が予想以上に難航したことである。東北道は1972年に初区間が開通し、1987年には全線開通を果たしている。つまり、常磐道より常に優先して建設・開通が進められてきた。
さらに、常磐道の全線開通間近の2011(平成23)年3月に東日本大震災が発生し、沿道に大きな被害が出た。これにより、既に開通していた区間は長期間通行止めとなり、2011年度と2012年度に開通予定だった区間の施工スケジュールも見直しを余儀なくされた。
こうしたさまざまな経緯を経て、常磐道は2014年に全線開通した。この過程で、利用者や建設・管理関係者に多くの教訓をもたらした。特に東日本大震災の復興支援では、道路が単なる移動手段にとどまらず、緊急時の復旧手段としての役割も重要であることを示した。
現在、常磐道は東北道との相互補完関係にある。どちらかの路線で渋滞や通行止めといったトラブルが発生した際には、もう一方が迂回路として機能する。この選択肢の増加は、利用者にとって大きなメリットとなっている。