自動運転は誰の為に存在しているのか? 道交法改正から垣間見える「未来の公共交通」とは

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特定条件下での自動運転レベル4を可能とする改正道交法が成立した。この技術は日本の交通施策にどのようなインパクトを与えるのか。

自動運転レベル4の改正道交法が成立

2021年1月、神奈川県藤沢市内で行われた自動運転の実証実験(画像:古賀裕一郎)
2021年1月、神奈川県藤沢市内で行われた自動運転の実証実験(画像:古賀裕一郎)

 ドライバーのいない無人走行のクルマが街なかを走行し、人々を運ぶ――。そんなSFのようなシーンが2022年度内に日本各地で見られるかもしれない。

 2022年4月19日(火)、特定条件下で全ての運転操作を人間ではなくシステムが担う「自動運転レベル4」を可能とする、改正道路交通法が衆院本会議で可決・成立した。

 人が運転しない自動運転を「特定自動運行」とし、都道府県公安委員会の許可により行動走行を可能とする制度が盛り込まれた。年度内にも施行される見込みである。

レベル2、3と何が違うのか

 本題に入る前に、自動運転のレベルについて確認しておきたい。

 自動運転レベルは、レベル0からレベル5までの6段階に分類されている。中でもニュースなどでよく目にするレベル2からレベル4について、おおまかに以下のようにイメージしてもらえると分かりやすいのではないだろうか。

・レベル2:部分運転自動化
 運転の主体は人。ドライバーは運転から注意をそらせないが、ハンドルから手を放すことは可能

・レベル3:条件付き運転自動化
 運転の主体はシステム。ただし、システムの要求に応じて人が運転を代替する場面が起こりうるため、ドライバー(の役割を担う人)はスマホ操作や軽い食事程度は可能だが、居眠りや著しく集中を欠く行動は不可

・レベル4:高度運転自動化
 運転の主体はシステム。緊急時も含めてシステムが判断を行う。人は運転作業から解放され、制約はあるものの、ドライバーレスの移動サービスの実現が可能となる

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