自動運転「無人タクシー」2025年実現も 西新宿の実証実験で明らかになった“2つの重要課題”
西新宿エリアで2022年1~2月に行われた、自動運転移動サービスの実証実験。2023年度のサービス開始を目標に、残された課題を検証した。実現のための“ラスト・ワンマイル”とは果たして?
各分野9社が参加、最新技術を結集
未来の移動サービスとして自動運転に注目が集まる中、公共交通で実用化を目指す動きが全国各地で進み始めている。そんな中、大成建設など9社は、新宿駅西口エリア(東京都)において自動運転車両を使ったサービスの実証実験を実施した。実施期間は2022年1月22日~2月4日の約2週間(1月24、25、29、30日を除く)。
この実験は、2025年の無人自動運転による移動サービスの実現などを掲げる東京都の「未来の東京」戦略の一環として進められているもので、大成建設は第5世代移動通信システム「5G」を活用した自動運転移動サービスとして2023年度のサービス開始を目標にしている。
そうした背景から実験は当初、一般の利用も想定して準備されていたが、新型コロナウイルスの感染急拡大により関係者のみが乗車する形で進められることになった。
実験への参画企業は、大成建設、ティアフォー、損保ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジー、日本信号、大成ロテック、プライムアシスタンスに、実施パートナーとして加わった小田急電鉄の9社。それぞれが得意とする分野を担当し、自動運転移動サービスの事業化に向けた課題抽出を行って早期実用化へ向けた採算性やニーズを分析する。
実施ルートは、新宿駅西口の地下ロータリーから出発し、都庁~新宿中央公園前を経由して、地上側の新宿駅西口中央通りで下車する約2.8km(筆者計算)の距離。乗車と下車は既存のバス停留所を使用する。
実験ではアイサンテクノロジーがMMS(モービルマッピングシステム、高精度GPS移動計測装置)によって作成した自動運転システム用高精度3Dマップを使用。実験車両は走行中に検知したデータとの差分を検出しながら操舵や発信/停止などの自動走行を実現する。