鉄道の「自動運転」は乗客・乗務員を幸せにするのか? JR九州・香椎線を例に考える
JR東日本山手線は、運転士なしで運転できる「ドライバレス運転」を目指している。運転士がいないメリットとは何か、九州の例を取り上げ、その未来を語る。
自動運転への挑戦
現在、ゆりかもめなどの新交通システムは自動運転が中心となっている。トラブルのないときは、列車は自動で走り、乗務員もいない。だがこれは、既存の鉄道システムが昔ながらの線路を引き継いでいるために自動運転ができないことと、パラレルだった。
これまでは、走行中の列車を
・自動列車停止装置(ATS)
・自動列車制御装置(ATC)
で止めたり、最高速度などを自動制御したりしようとした。また地下鉄を中心として、
・自動列車運転装置(ATO)
が搭載されている車両もあり、運転士の乗務のもとで運行されている。
そんななか、既存の鉄道でも自動運転を行おうとする試みが出ている。JR東日本の山手線が、営業時間内の自動運転を2022年2月25日に試験したのだ。
ドライバレス運転への軌跡
3月12日のダイヤ改正で減少するものの、山手線は本数の多さは都内有数で、高頻度路線だ。そんな山手線では運転士なしの「ドライバレス運転」を実現するため、2018年度から終電後の時間帯にATOの試験を行っている。
2018年度には、
・加速
・低速走行
・減速
・定位置への停車
などの試験を行い、2019年度には、
・乗り心地向上
・駅間停車防止に関する車両制御
の試験、2020年度には
・列車の最適な群制御
など、年を追うごとに実用化に向けた試験を進めている。