自動運転は誰の為に存在しているのか? 道交法改正から垣間見える「未来の公共交通」とは
特定条件下での自動運転レベル4を可能とする改正道交法が成立した。この技術は日本の交通施策にどのようなインパクトを与えるのか。
日本で求められる自動運転サービスとは

「自動運転」というと先端的で未来的な技術のイメージが先行するが、日本で求められる自動運転サービスとはどのようなものだろう。
先に述べた通り、海外ではサンフランシスコや上海などの都市部で実証が進んでいる。日本でも同様に、都心部での社会実装に期待が高まる一方で、さらに切実に自動運転の実現を待つ地域もあることにも目を向けたい。
日本には、公共交通機関が乏しく、日常の移動手段をマイカーに頼らざるを得ない地域が多く存在する。これらの地域では、特に免許を返納した後の高齢者の足が社会課題となっており、“交通難民”“買い物難民”といった言葉も生まれている。
筆者自身、公共交通に乏しい地方部で生まれ育ち、高齢の祖父母が自分で運転し続けなくてはならない状況を目の当たりにしてきた。運転に不安を覚えていても運転の必要に迫られている人は少なからず存在しているし、逆に運転が不安だからと出掛けない選択をしている人もいるだろう。
移動に課題を持つ人の助けに
まずは単純な往復ルートや循環ルートなど限定的な条件下での走行に限られるだろうが、自動運転車両に任せられるところは任せ、走行条件が複雑なルートは人が担う。そういった分担を行うことで公共交通を補い、移動に課題を持つ人の助けになること。これこそが、日本に実装すべき自動運転サービスではないかと筆者は考える。
実際、自動運転車両を用いた移動サービスを開始している地域は茨城県境町なども国内に存在する。
ドライバーのいない無人走行のクルマが公道を走行し、人々を運ぶ日はそう遠くないところまで近づいてきている。ユーザーに寄り添ったサービスとしての自動運転の発展、社会実装を心から期待している。