自動運転は誰の為に存在しているのか? 道交法改正から垣間見える「未来の公共交通」とは
特定条件下での自動運転レベル4を可能とする改正道交法が成立した。この技術は日本の交通施策にどのようなインパクトを与えるのか。
レベル4は人を運転から解放する
現状、日本国内で行われている実証の多くはレベル2相当であり、一部レベル3相当の自動運転実証も実施されている。これらは走行時にシステムが対応できない状況になった場合、人が運転作業を速やかに行う必要があるため、人は運転から完全に解放されない。
「自動運転」と呼ばれつつも、基本的に運転席にはドライバーが座っていることになる(一部実証では遠隔で操作したり、運転席のない車両を用いていたりする場合もある)。
一方、自動運転レベル4による走行が可能になると、運行開始から緊急時の停止までの主体をシステムが担うこととなり、人は運転作業から解放される。すなわち、本当の意味でドライバーのいない「自動運転」と呼べる、ということである。
とはいえ、法改正が実現したとしても、いきなりドライバーレスの自動運転社会が実現するわけではない。
当面は、走行条件を限定した状況で運行開始から終了までシステムに任せることが可能かといった実証を行い、そういった実証を積み重ねながら徐々に走行条件を複雑にし、運行できる範囲を広げていく、といったことの繰り返しになるだろう。
この点では、海外、特に米国と中国は先行しており、日本に先んじてレベル4の自動運転車両がすでに街なかを走り始めている。
米国では2022年1月、日系企業も出資する自動運転システム開発企業・クルーズ社が、サンフランシスコでの自動運転タクシーサービスを開始した。
中国でもすでに上海など複数都市で、レベル4の自動運転車両が街なかを走行しており、一部都市では有料の自動運転タクシーサービスも始まっている。