「意識不明」でも救急車が到着! 最新の事故自動通報システムが人間より迅速なワケ

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事故から生存までの「黄金の時間」をつなぐ技術が進化している。自動通報と傷害予測により、処置開始を最大17分短縮し、死亡率を27%低下させたAACN。先進的な連携とデータ活用が、救命対応の質とスピードを変えつつある。

義務化進むACN搭載の波

交通事故のイメージ(画像:Pexels)
交通事故のイメージ(画像:Pexels)

 重大な交通事故が発生し、命の危険が生じた際に、自動で救命に必要な情報を通報する仕組みがある。いわゆる事故自動通報システムで、ACN(Automatic Collision Notification)と呼ばれている。近年、このACNを搭載した車両が増加している。

 例えば、エアバッグが作動するほどの大きな衝突が起きた場合、ACNは車両の

・位置情報
・車種
・ナンバー

などをコールセンターへ自動送信する。その後、オペレーターがドライバーに接続し、事故の状況や負傷の有無を確認する。ドライバーが応答できない場合は、重篤な事態と判断し、速やかに救急車を手配するなどの対応が取られる。

 欧州連合(EU)では2018年以降、ACNの搭載が義務化された。日本でも2020年から国際基準が導入されている。事故時に自動で通報されるこの仕組みは、救命率の向上に直結する技術として注目されている。なぜここまで期待されているのか。その理由に迫る。

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