車内80℃の「猛暑地獄」を変える! いま「巻く」サンシェードが大注目なワケ、旧タイプとの決定的な差とは?

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来たる猛暑で車内温度の急上昇が問題視されるなか、車内温度の管理やプライバシー保護に特化した「ロール式サンシェード」に注目が集まっている。2022年の市場規模は15億米ドルで、2030年には28億米ドルに達すると予測。新素材や電動化技術の進化が、今後の成長を加速させるだろう。

深刻化する車内温度問題

自動車用サンシェード(画像:写真AC)
自動車用サンシェード(画像:写真AC)

 地球温暖化の影響で、夏の猛暑は年々厳しくなっている。気象庁のデータによると、日本の年平均気温は上昇傾向にあり、それに伴って真夏日の日数も増加している。このようななかで、自動車の車内温度上昇はより深刻な問題となっている。

 日本自動車連盟(JAF)のテストでは、気温35度の炎天下で駐車した車内のエアコンを止めると、1時間以内に車内温度が50度を超え、ダッシュボード付近では最高で79度に達した。15分で熱中症指数は危険レベルに達し、40分でさらに危険な水準になる。このような状況では、特に子ども、高齢者、ペットなどを車内に残すことが命に関わる事故を引き起こしかねない。

 高温は人体だけでなく、車両にも悪影響を及ぼす。ダッシュボードやシートなどの内装材は、紫外線と熱によって変色やひび割れを引き起こしやすくなる。さらに、カーナビやドライブレコーダーなどの電子機器は熱に弱く、高温下では誤作動や故障のリスクが増加する。スマートフォンを車内に置き忘れると、バッテリーの劣化や発火の危険性もともなう。

 こうした問題に対処するため、従来から様々なタイプのサンシェードが販売されてきた。吸盤でフロントガラスに取り付けるタイプは、安価で手軽に購入できるが、吸盤が劣化して外れやすくなる、ガラスに跡が残るといったデメリットがある。また、ワイヤーフレームで自立し、折りたたんで収納するタイプは、設置や収納に手間がかかり、車種によってはサイズが合わなかったり、隙間ができやすいという問題があった。

 ユーザーの間では、より手軽で効果的なサンシェードを求める声が高まっており、こうしたニーズに応える形で新たに登場したのが「ロール式」サンシェードである。

 近年、設置が簡単で機能的な「ロール式」サンシェードが市場で注目を集めている。本記事では、ロール式サンシェードの登場背景やユーザーに支持される理由、今後の可能性について、具体的なデータを交えて深掘りしていく。

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