船橋が「住み続けたい街」になれない根本理由! 混雑率148%、医師は全国平均の6割 再開発の陰で進む“生活インフラ空洞化”の実相とは
住みたい街ランク上昇も「隠れた弱点」とは、慢性的な交通渋滞、都心通勤ラッシュ、医師不足…人口増に都市機能最適化が追いつかず、持続可能な成長への構造的課題が浮き彫りに。住宅価格の割安感だけでは限界か。
住宅費用の圧倒的優位性
別の視点からも分析してみよう。
船橋市が「住みたい街」として選ばれる、もっとも現実的な理由のひとつが費用対効果の高さである。賃貸でも購入でも、都心に比べて住宅費用を大きく抑えられる。そのため、同じ家賃でもより広い住居や設備の整った物件を選ぶことができる。
実際にどれほどの価格差があるのか。2025年5月7日時点で、SUUMOに掲載された物件の最安値を調べた。以下は駅徒歩10分以内など、一定条件で比較した結果である。
●2LDK・駅徒歩10分以内
・船橋駅:10万円
・西船橋駅:9万7000円
・蒲田駅:13万円
・赤羽駅:11万7000円
●中古マンション(2K/DK/LDK・駅徒歩10分以内)
・船橋駅:1730万円
・西船橋駅:1800万円
・蒲田駅:2080万円
・赤羽駅:2780万円
●新築一戸建て(4K/DK/LDK・駅徒歩15分以内)
・船橋市(三咲駅):2890万円
・大田区(京急蒲田駅):4680万円
・北区(王子駅):6680万円
賃貸では月額で約3万円の差が出る。戸建てでは、東京駅までの所要時間が同程度でも、価格差は2倍近くに広がる。これこそが、船橋市が現実的な選択肢として支持される理由である。