「机上で決めた愚策」 地方を置き去りにした“日本版ライドシェア”迷走中! 東京偏重、稼働ゼロ…高齢者無視のアプリ、全国展開の意味はあったのか?

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二種免許を持たない一般ドライバーが有料で乗客を運ぶ「日本版ライドシェア」が導入されて1年が過ぎた。地方にも徐々に拡大しているが、利用状況は厳しい。

無視された地方の事情

公共ライドシェアと日本版ライドシェア(画像:国土交通省)
公共ライドシェアと日本版ライドシェア(画像:国土交通省)

 日本版ライドシェアは大都市圏でスタートした事業をそのまま全国展開した。しかし、地方では認知度や利用者の広がりは見られない。週末の夜限定勤務でアルバイト以下の報酬しか見込めないところが多いだけに、ドライバーもなかなか見つからない。

 全日本交通運輸産業労働組合協議会が2024年11月に実施した調査によると、日本版ライドシェアの制度を理解しているのは、首都圏のタクシー利用者で

「約35%」

にとどまった。地方だともっと認知度が低いとみられる。玉野市のJR宇野駅で岡山行き列車を待つ自営業の男性(74歳)は「始まったとは聞いたが、内容はよく分からん」と首をかしげていた。

 しかも、地方の住民は年齢層が高い。日本版ライドシェアは

「スマートフォンのアプリ利用が前提」

だけに、アプリを使いこなせない高齢者の利用が期待しにくい。このため、安芸太田町のライドシェアは電話での配車依頼を受け付けるようにしたが、大半の地域は手をこまねいたままだ。

 国の中央省庁は高度経済成長期から東京で制度設計した施策を地方に横展開してきた。それなりに成果を上げたこともあったが、当時と今では地方を取り巻く状況が大きく変わっている。地方がバブル崩壊後の失われた30年と人口減少、高齢化で疲弊を重ね、デジタル化も遅れているからだ。新たな事業に参入する投資余力は限られつつある。

「あまりにも安易で急ぎすぎた全国展開」

だったのかもしれない。地方のタクシー不足を日本版ライドシェアで緩和したいのであれば、地方の事情をくみ取った制度を採用すべきでなかったか。制度スタートから1年が経過したのを機にあらためて検証する必要がありそうだ。

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