「正直者が馬鹿を見る」 物流改革まさかの「抜け道」発覚!「実運送体制管理簿」義務化はザル法? 真因は有識者会議か、それとも国交省の怠慢か
過日、実運送体制管理簿作成の法制化に大きな抜け道があったことを、拙記事で伝えた。その結果、多くの反響を得た。反響から見えてきたのは、政府の物流政策立案能力への不信感だ。
政府による事前発見の失敗

なぜ政府は、実運送体制管理簿作成の抜け道を法律施行前に見抜けなかったのだろうか。筆者は、従来の有識者会議を基にした政策立案の方法が、限界に達していると感じている。
誤解のないようにいっておくが、物流界の有識者は皆、深い知識を持っている。筆者も何人かの人たちと面識があり、尊敬している。しかし、その人選には偏りがあり、アカデミックな方向に偏ったり、大手事業者ばかりから選ばれる傾向がある。どの有識者会議を見ても、同じ顔ぶれが並んでいる。厳しくいえば、これらの人たちは
「実運送体制管理簿の抜け道を見つけられなかった人」
たちだ。こうした人選では、今後の物流革新政策でも同じような失敗が繰り返される可能性がある。そのため、以下のような新たな取り組みが求められるのではないか。
・国内運送事業者、倉庫事業者、物流システム会社、マテハン会社などから、裁判の陪審制度のように、有識者会議への参加者を無作為に選ぶ制度
・物流エコシステムに属する事業者から広く意見を募る仕組み
・SNSプラットフォームの協力を得て、投稿された意見を集約し分析する手法の確立
特に物流従事者からは、政策に現場の声が反映されていないという不満が多い。筆者は現場の声を偏重することにリスクがあると考えている。現状維持のバイアスが強く、現場への過剰な利益誘導が改善を妨げる可能性が高いためだ。
それでも、現場の声を含め、より広範で多くの意見を政策立案に活用することは不可欠だと考えている。