「正直者が馬鹿を見る」 物流改革まさかの「抜け道」発覚!「実運送体制管理簿」義務化はザル法? 真因は有識者会議か、それとも国交省の怠慢か

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過日、実運送体制管理簿作成の法制化に大きな抜け道があったことを、拙記事で伝えた。その結果、多くの反響を得た。反響から見えてきたのは、政府の物流政策立案能力への不信感だ。

記事に寄せられた反響

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 先の記事について、筆者には多くの意見や反響が寄せられた。最も多かったのは、「実運送体制管理簿の作成義務が周知されていない」という声だった。

・A:荷主や元請事業者が、今春から実運送体制管理簿の作成が義務化されたことを知らない
・B:(中堅元請事業者の営業所長からの声)
社内の他営業所の所長でも、実運送体制管理簿作成義務を知らない人がほとんどである

Bに似たケースでは、トラック協会が主催する研修会が5月以降に開催予定で、急いで準備や勉強をする必要はないと考えている人が多く、法令遵守意識が欠けているという声もあった。次に、こんな声もあった。

・C:自社よりも多重下請構造の上位にいる運送事業者、元請事業者、荷主が、どのような契約を結んでいるのか(利用運送契約なのか)がわからないため、自社に実運送体制管理簿の作成義務があるのかどうかが不明
・D:そもそも元請事業者がわからない。自社が何次請けに該当するのかも不明であり、したがって当然実運送体制管理簿の作成義務が課されるのかどうかも不明

CとDのケースでは、自社の立ち位置が不明なため、法令遵守意識はあっても、どのように行動すべきかがわからないという状況だ。さらに、利用運送事業者からは以下のような声もあった。

・E:利用運送事業者にとって、協力会社(≒下請事業者)のリストは営業資産でありノウハウなので、元請事業者には「当社が実際に運送を行っています」と嘘をついて報告している

また、実運送体制管理簿作成の義務化が新たな下請けイジメを生んでいるとの指摘もあった。

・F:本来は元請事業者が実運送体制管理簿を作成しなければならないはずなのだが、1次下請である当社に作成を丸投げしてくる
・G:(実運送を担う運送事業者から)元請事業者から毎日、「運行車両のリストを提出しろ」といわれ、実運送体制管理簿作成には関係のないはずの車両番号やドライバー名まで求められ、業務負担が増えた

最後に、実運送体制管理簿作成に真剣に取り組もうとする事業者からは、次のような声も寄せられた。

・H:運輸支局に実運送体制管理簿作成について質問を行ったところ、「下請事業者との契約を利用運送契約で再締結すれば、管理簿作成は必要ありませんよ」と、抜け道を指南された

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