本当に効果あるの? それでも「とび出し注意」看板が増えるワケ

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内閣府のデータによると、未就学児の67%以上、65歳以上の高齢者の74%が歩行中に事故に遭っている。この状況を受け、地域主導で設置された「飛び出し注意」看板は、交通安全意識を高め、事故の減少に貢献している。

「歩行者事故」減少を狙う看板増加

とびだし坊や(画像:写真AC)
とびだし坊や(画像:写真AC)

 クルマを運転していると、道路標識とは異なる注意看板を目にすることがある。そのなかでも、子どもや高齢者の飛び出しを警告する人型の看板があり、「とびだしとび太くん」や「とびだし坊や」などと呼ばれている。

 これらの看板は、主に通学路や信号のない交差点に設置されている。ドライバーは、これらの看板を見たことがあるかもしれない。設置の理由は、子どもや高齢者が歩行中に事故に遭うことが多いためだ。

 内閣府が発表した「学齢別・状態別事故死者・重傷者数(平成23年~令和2年合計)」によると、未就学児の事故死者・重傷者3679人のうち、65.6%に当たる2415人が歩行中に死傷している。また、小学生の事故死者・重傷者1万1981人のうち、56.5%に当たる6770人が歩行中の事故で犠牲となった。

 さらに、「状態別・年齢層別交通事故死者割合(令和2年)」によれば、歩行中に死亡した交通事故死者の74.2%が65歳以上で、そのうち75歳以上は55.0%に達している。

 このように、子どもや高齢者が歩行中に事故で死亡する確率が高いため、ドライバーは特に注意して運転する必要がある。

 こうした意識は、ドライバーに限らず地域住民にも広がっており、飛び出し注意の看板が増加している。しかし、市区町村ごとに設置のルールや方法に違いがあるようだ。

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