本当に効果あるの? それでも「とび出し注意」看板が増えるワケ
内閣府のデータによると、未就学児の67%以上、65歳以上の高齢者の74%が歩行中に事故に遭っている。この状況を受け、地域主導で設置された「飛び出し注意」看板は、交通安全意識を高め、事故の減少に貢献している。
「飛び出し注意看板」の設置条件と背景

立命館大学の小川圭一氏による「飛び出し坊や」の設置状況と地域の道路形成に関する分析によれば、これらの看板は主に自治会やPTAなど、地域住民が自主的に設置したり、住民からの依頼を受けて地域の交通安全協会が設置することが多いという。
飛び出し注意看板は、警察署が設置するのではなく、地域団体である
・交通安全協会
・社会福祉協議会
・町内会
・自治会
などが自発的に設置する仕組みである。そのため、私有地への設置が基本であり、交通標識とは異なる設置基準が定められている。
また、市区町村によっては申請により無料で提供される場合もある。例えば岐阜市では、看板設置に必要な条件として「私有地への設置」と「所有者の許可取得」、さらに「看板の維持管理は申請者の責任」といった要件を満たした団体に対して交付される。
設置に一定の条件はあるが、飛び出し注意看板には子どもや高齢者を事故から守りたいという地域住民の強い思いが込められている。では、こうした看板が設置される背景とは何か。