旧セントラルライナーでおなじみ JR東海「313系8000番台」が静岡地区に転用されたワケ

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JR東海の313系8000番台が東海道本線静岡地区に転用された理由を解説。転用により、当初からトイレが設置されていない211系ロングシート車の一部を置き換えた。今後、トイレつきの普通電車が増える可能性があるという。

「313系8000番台」とは何か

313系8000番台(画像:写真AC)
313系8000番台(画像:写真AC)

 JRグループは2022年3月12日、ダイヤ改正を実施した。在来線で大きな話題となったのがJR東海だろう。かつて有料の定員制列車として活躍した「セントラルライナー」車両の313系8000番台が、中央本線名古屋地区から東海道本線静岡地区(熱海~豊橋間)に転用されたのだ。いったいなぜなのか。その真相を探った。

 JR東海は1999(平成11)年12月4日のダイヤ改正で、中央本線名古屋~中津川間の日中時間帯に有料の定員制列車、セントラルライナーを運転することになった。通勤時間帯に運転されるホームライナーと同様、乗車整理券310円を購入すれば着席できた。

 車両は313系を特別仕様にした8000番台を投入。座席は大半の一般仕様車と同じ転換クロスシート(背もたれの向きが変えられる座席)ながら、シートピッチを875mmから910mmに拡大し、背もたれも高くなった。乗降用ドア付近にパーテーションを設け、特別な雰囲気を演出した。車端部は飲食やデスクワークが容易にできる大型テーブルつきのボックスシートで、グループや家族連れ向けの設備と言える。

 日中はセントラルライナーとして中間の乗降用ドアを締め切り、有料列車としての風格を演出する一方、それ以外の時間帯は一般列車として運行した。

 セントラルライナーは好評を博し、一時、増結や特急形電車が駆り出されるほどの人気列車に成長したが、2013年3月16日のダイヤ改正で廃止された。以降、一般列車を中心に運用されていた。

 2022年3月5日より新型車両315系(ロングシートの車両)が中央本線に投入されたことで、車両運用計画に変更が生じ、313系8000番台は活躍の場を東海道本線静岡地区に移すことになった。

 なお、車両運用の都合により、御殿場線や身延線で営業運転を行なう場合があるという。また、東海道本線静岡地区のホームライナーに使う予定もない。