旧セントラルライナーでおなじみ JR東海「313系8000番台」が静岡地区に転用されたワケ

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JR東海の313系8000番台が東海道本線静岡地区に転用された理由を解説。転用により、当初からトイレが設置されていない211系ロングシート車の一部を置き換えた。今後、トイレつきの普通電車が増える可能性があるという。

ロングシート車が主力の時代は続く

313系8000番台(画像:写真AC)
313系8000番台(画像:写真AC)

 前述の315系はすべての211系を置き換える役割があることから、2023年に入ると、東海道本線静岡地区は新車による車両更新が開始される可能性がある。これにより、トイレつきの普通電車がさらに増え、将来は

「トイレなし普通電車」

が消滅するものと思われる。

 参考までに、国土交通省が毎年実施している朝ラッシュ時の混雑率調査は、2017年度から東海道本線静岡地区にも拡大され、下りは東静岡~静岡間、上りは安倍川~静岡間が最混雑区間とされている。上りと下りの混雑率は次のとおり。

●上りの混雑率
・2017年度:109%
・2018年度:100%
・2019年度:101%
・2020年度:91%

●下りの混雑率
・2017年度:86%
・2018年度:97%
・2019年度:84%
・2020年度:67%

 首都圏では10両編成以上でも混雑率110%超の路線が多いのに比べると、混雑率が格段に低く、順次、転換クロスシート車に置き換えても差しさわりがないように思える。

 ただ、日中時間帯に限定すると、1~2区間乗車といった短距離利用客が多く、ロングシートはクロスシートに比べ、着座や離席がしやすいメリットもある。加えて、ほとんどの駅では停車時間が短いことから、通路幅が広いロングシート車は動きやすい。

 313系8000番台は“乗車券のみで乗車できる目玉商品”という存在になってゆくだろう。できれば運行ダイヤをTwitterで公表し、多くの人々に快適な転換クロスシートを味わってほしいと思う。

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