JR西、赤字路線公表の衝撃 いま再び問う「国鉄分割民営化」は本当に正しかったのか?
JR西日本は11日、路線の維持が困難としている関西、北陸、中国地方などの赤字収支を初めて公表した。“第二の国鉄改革”の声も上がる昨今、今後はどうなるのか。
“第二の国鉄改革”が始まった

JR各社は「国鉄とは別の民間企業」という建前があったため、国鉄の人員整理や債務の責任を負わなかった。その一方で、不採算路線は自前での維持を求められた。
国や自治体の管理ではないことが前提となっているため、結果、JR各社はその歴史の中で不採算路線の廃止や経営の合理化を余儀なくされたのである。今回のJR西日本が示した公的負担必須というスタンスは、JRが営利企業としてもう維持できないことの宣言ともいえる。
赤字路線である芸備線を抱える広島県の地方紙『中国新聞』では、このことに着目し
「“第二の国鉄改革”が始まったとも言える」
と記している(『中国新聞』2022年4月12日付朝刊)。
かつては、全国あちこちで激しい反対運動もあった国鉄分割民営化。歴史の1ページになった過去の出来事が、再び論じられる時が来たのかもしれない。
筆者は最後に問いたい。国鉄分割民営化は本当に正しかったのか? と。