「技術の日産」逆襲の序曲――レアアース9割削減・全固体電池が示す、日本発EVと経済安全保障の新局面

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6500億円の赤字と2万人削減に揺れる日産は、販売6割減の苦境下で全固体電池の実用化(2028年度)とレアアース9割削減を進める。資源依存からの脱却と供給安定を軸に、再建の行方が問われている。

業績悪化と大規模見直し

長期ビジョンを発表した日産自動車(画像:日産自動車)
長期ビジョンを発表した日産自動車(画像:日産自動車)

 日産自動車は今、会社の形を根本から作り直す大きな転換点にある。

 2026年3月期の最終損益は6500億円の赤字となり、2期連続で大きな損失となった。世界販売台数はピーク時の約6割まで落ちた。この結果を受け、世界で2万人の人員削減と7工場の閉鎖を決めた。2026年度までに2024年度比で5000億円のコストを削る計画だ。

 一方、技術開発は続いている。次世代の全固体電池は、実用に近い23層の積層セルで性能を確認済みで、2028年度の量産を目指す。

 新型リーフのモーターでは、中国産に頼っていた重希土類の使用量を初代モデル比で9割以上減らすことにも成功した。2025年5月にスズキが部品調達の問題で国内生産を一時停止した例が示すように、資源の供給リスクは現実の問題だ。日産は不採算部門を整理しながら、技術を通じてこのリスクに対応しようとしている。

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