ヘリコプター市場に衝撃! 「ロビンソンR88」参戦で何が変わる? 小型ヘリ専業メーカー、大型化で勝負! なぜ2枚ローター?

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世界の小型ヘリ市場を席巻するロビンソン社が、ついに中型機市場へ参入。ダラスの「Verticon」で発表されたR88は、8人乗りの実用機ながら、同クラスの競合機の約半額となる5億円台の価格を実現。独自の2枚ローター設計を貫きながら、大型化への挑戦に踏み出した。この新機種が市場にどのような変化をもたらすのか、ヘリ業界の勢力図を塗り替える可能性はあるのか、注目が集まる。

ロビンソンの快進撃

R88(画像:ロビンソン)
R88(画像:ロビンソン)

 テキサス州ダラスで開催されたヘリコプターに関する国際会議 「Verticon」で、エアバスH140とロビンソンR88という、2機種の中型ヘリコプターが新たに発表された。エアバス社については、既に豊富なラインナップを持っているが、R88はロビンソン社にとって初めての中型機種である。

 世界の小型ヘリコプター市場では、ロビンソン社が圧倒的なシェアを持っている。「ロビンソン」の社名はもはや“小型ヘリコプターの代名詞”といってよく、その特徴的なデザインは、小型ヘリのイメージとして既に定着している。

 ロビンソン社がヘリコプター市場に躍り出たのは、1970年代末に発売されたR22の大ヒットによるものであった。R22はピストン・エンジンと2枚ローターを装備したふたり乗り小型ヘリで、機体価格や維持費用の安さから、自家用ヘリコプターや操縦練習用として、世界中のマーケットに受け入れられた。現在までに約5000機が生産されており、日本にも1980年代初期から250機以上が輸入されている。

 このR22に続いて、4人乗りのR44もベストセラーとなり、これまでの生産機数は8000機を超えた。2010年にはターボシャフト・エンジンを装備したR66が型式証明を取得し、市場に送り出されている。

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