ヘリコプター市場に衝撃! 「ロビンソンR88」参戦で何が変わる? 小型ヘリ専業メーカー、大型化で勝負! なぜ2枚ローター?
世界の小型ヘリ市場を席巻するロビンソン社が、ついに中型機市場へ参入。ダラスの「Verticon」で発表されたR88は、8人乗りの実用機ながら、同クラスの競合機の約半額となる5億円台の価格を実現。独自の2枚ローター設計を貫きながら、大型化への挑戦に踏み出した。この新機種が市場にどのような変化をもたらすのか、ヘリ業界の勢力図を塗り替える可能性はあるのか、注目が集まる。
年産1000機へ挑戦

これまでのR22やR44のデザインを踏襲したR88だが、この大型化に当たって大きく変更されている点がある。これまでの小型機ではキャビンの後方にエンジンを置いていたが、R88では他メーカーの中型機と同様に、キャビンの頭上にエンジンを配置しているのだ。キャビンを大型化し、実用性を高めるためには必要なレイアウトであり、これによってR88はキャビン後方から大型の荷物や担架を載せることも可能になっている。
ただし、キャビンの頭上にエンジンやトランスミッションを配置すると、これを支える構造強度や安全性への要求は、設計要件として厳しくなる。エンジン故障などで激しく地面に接地するハード・ランディングの場合でも、頭上のエンジンやトランスミッションがキャビンの安全を脅かさないことが要求されるのだ。また、単発エンジン機であるため、高いオート・ローテーション能力も求められ、ロビンソン社がクリアするべき課題は少なくない。
多くの点でR44やR66と大きく異なる新型機であるが、R88が市場で一定の成功を収めることができれば、ヘリコプター市場全体におけるロビンソン社のシェアは、ますます拡大することになる。場合によっては、将来R88が軍用ヘリとして採用される可能性も、考えられなくはないのである。
ロビンソン社では、2024年に295機のヘリコプターを顧客に納入しているが、このR88を含む事業拡大によって、今後数年間で年間1000機近くまで生産を拡大できる可能性があると見込んでいる。ロビンソン社が小型ヘリ専門メーカーから脱皮し、より広い市場を手掛けるヘリ製造会社に成長することになるのか、R88の今後が注目される。