60兆円の経済効果! 「東名高速」が物流・産業に与えた革命的インパクトとは? 一方で「老朽化」のリアルと迫る維持費問題も

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東名高速道路は、開通から約56年にわたり、日本の経済を支える重要な役割を果たしてきた。物流から都市間移動、工業発展まで幅広い影響を与え、年間約60兆円の経済波及効果を誇る。しかし、老朽化やトラック駐車スペースの不足、環境問題など、今後の課題も多く、持続可能な運営のための革新が求められている。

56年の歴史と東名の特別感

東名は全線が開通してから半世紀以上が経過した(画像:都野塚也)
東名は全線が開通してから半世紀以上が経過した(画像:都野塚也)

 日本の高速道路網のなかで、最も交通量が多い路線が東名高速道路(以下、東名)である。東名は、東京世田谷区の東京インターチェンジ(IC)から神奈川県と静岡県を経由し、愛知県小牧市の小牧ICで終点を迎える、総距離約347kmの路線だ。

 東名と、東名から直接接続している名神高速道路(以下、名神)はともに歴史ある路線で、特別な存在感を持つ。主な特徴として、以下の点が挙げられる。

・東名と名神でインター番号やキロポストが引き継がれている
・路線名に「高速道路」が含まれている(日本の他の路線名は基本的に「自動車道」)
・車線幅が他の路線よりも広い

 仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)も東名を頻繁に利用しているが、その走行時には他の路線とは一線を画す特別感を感じる。日本には魅力的な高速道路が多いが、やはり別格の存在だ。

 そんな東名も、2025年には全線開通から56年を迎える。この約半世紀の間、東名は多くの人々や車両の移動を支え続け、その経済的な影響力は計り知れない。実際、開通からの半世紀にわたる経済波及効果は、

「約60兆円」

に達するといわれている。それに至る背景は、非常に興味深い。今回は東名の歴史を振り返りながら、これまでの社会への貢献についてさまざまな視点から考察したい。

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