「煙が迷惑」 老舗うなぎ店に「マンション新住民」がクレーム! ネットは「理不尽」「後から来たくせに」の声! 終わりなき新住民問題、共存への道はあるのか?

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都市化が進む中、古くからの文化と新住民の価値観の対立が顕在化している。最近話題となった「うなぎ店の煙問題」は、その象徴的な事例だ。新たに建設されたマンションの住民が、伝統的な飲食店の煙や臭いにクレームをつけたことをきっかけに、都市の変容と文化的摩擦が浮き彫りに。地域の歴史と新住民の生活環境のバランスをどう取るべきか、経済と文化の交差点で問われている。

合理性が奪う地域の風景

うなぎを焼くイメージ(画像:写真AC)
うなぎを焼くイメージ(画像:写真AC)

 老舗うなぎ店の隣に後から建てられたマンションの住民が、うなぎを焼く際に発生する煙やにおいに対しクレームをつけた──そんな投稿がSNSで話題となった。

 この投稿は、うなぎ店とは別の飲食店アカウントによるもので、「最初からそのマンションに住まなきゃ良い」「べらぼうめい、江戸っ子は匂いで白飯三杯食えらあ」といった言葉とともに、不満を訴えた住民を批判していた。

 これに対し、多くの人が

「理不尽なクレーム」
「後から来たのに文句を言うな」
「先にいる人を優先すべき」

と同調した。一方で、「入居前に説明はなかったのか」と不動産業者の責任を問う声もあり、議論は広がった(3月9日付け『弁護士ドットコムニュース』)。

 このような問題は近年、各地で見られるようになっている。元東京都立大学教授で社会学者の宮台真司氏はこれを「新住民化問題」と呼び、

「土地にゆかりのない者たちのマジョリティ化による『合理的な非合理』の徹底排除」(2020年10月22日付けツイッター)

と指摘する。これは、地域固有の文化や慣習が、後から移り住んできた人々の「合理性」によって排除される現象を指す。

 この視点から考えると、うなぎの煙のクレームは単なる一飲食店の問題ではなく、都市の変容と文化の衝突の縮図ともいえる。

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