中国EV「独走」の裏側! 政府補助金、地方支援…内燃車より「4割安」のコストダウン、そして行きつく過剰生産の現実
中国のEV産業は、政府の補助金依存から脱却し、価格競争力とサプライチェーン強化で新興市場を席巻。だが、国内経済の減速や貿易摩擦、地政学リスクが成長を左右する可能性もある。
EV市場を掌握する中国勢

現在、世界の電気自動車(EV)市場で存在感を示しているのは中国企業だ。2025年1月4日付の日本経済新聞(ウェブ版)には「世界のEV販売とは 上位10社の半数、BYDなど中国勢」という記事が掲載されており、それによると2024年7~9月期のEV世界販売台数では、上位10社のうち半数が中国企業となっている。
なぜ、中国のEVが世界を席巻しているのか。今回は、梶谷懐・高口康太『ピークアウトする中国』(文春新書)とジン・クーユー『新中国経済大全』(日本経済新聞出版社)をもとに、この問題を考えてみたい。