東京~仙台で航空会社が臨時便運航 「片道2万」もするのに需要があるワケ
東北新幹線の全線再開は4月14日予定
2022年3月16日深夜に発生した福島県沖地震の影響で、地上交通機関に影響が出た。特に、東北新幹線は大半の区間で不通となり、全線再開は4月14日予定となる見込みだ。東京~仙台間は特にビジネス利用が多い区間だ。高速道路は早々に復旧したものの、車やバスでの移動では所要時間が大幅に伸びてしまう。
そんななか、東北新幹線の代替手段として、航空各社が「臨時便」を運航している。
東京(羽田)~仙台線などで、一部路線では増便や機材大型化の動きもある。運賃は安くても片道2万円以上と、東北新幹線や高速バスより高額だ。しかし、ビジネス利用客など一定の需要があり、東北新幹線の全線再開まで臨時便の運航は続く見込みだ。
航空会社が運航する臨時便とは、いったいどういった便なのか。これまでのケースも合わせて紹介する。
地震翌日に臨時便の運航を発表
3月16日の地震では、宮城県と福島県で最大震度6強が観測された。東北新幹線が白石蔵王駅~福島駅の間で脱線したほか、レールのゆがみが確認されたり、架線を支える柱が折れて高架下の橋脚が一部で崩れたりするなど、大きな被害が出た。
一方、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などの航空各社は、地震が起きた翌3月17日に臨時便の運航を発表した。
ANAは羽田=仙台、福島での運航に加え、定期便の羽田=秋田は使用機材を大型化。JALは羽田=仙台、花巻、山形、三沢のほか、大阪(伊丹)=仙台、花巻で臨時便を運航するほか、ANA同様定期便の機材を大型化する動きも見られた。
さらに、フジドリームエアラインズ(FDA)が名古屋(小牧)=花巻、格安航空会社(LCC)のスプリングジャパンも成田=仙台の臨時便の運航を発表するなど、他社も続いた。
臨時便の運賃は、ANAの羽田=仙台の場合、最安で2万円前後。1日3便のうち2便が中型機であるボーイング767型機での運航であり、一定の需要があることがうかがえる。JALは1日4便で、運賃は2万円前後からと、ANAとほぼ同じ。多くの便は小型機であるボーイング737型機で運航されるが、一部では前述のボーイング767型機が使用される。