「プラグインハイブリッド車 = EVへの繋ぎ役」という甘い罠! BYDのPHV攻勢が露呈させる日本勢のEVシフト遅れとその危機

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日本勢は「PHVはEVへのつなぎ役」という認識に固執するが、BYDの戦略はその常識を覆す。EVシフトを遅らせるリスクを抱える日本メーカーに迫る、危機的な選択の時が来ている。

PHVの進化が妨げるEVシフト

日本導入モデルとしては4番目となるEV「BYD SEALION 7」(画像:BYDジャパン)
日本導入モデルとしては4番目となるEV「BYD SEALION 7」(画像:BYDジャパン)

 2025年末、中国のEV大手・比亜迪(BYD)は日本市場でプラグインハイブリッド車(PHV)を発売する。EV市場が減速するなか、BYDはPHVに活路を見出し、世界的に販売を拡大している。航続距離の長さ、価格の安さ、そしてEVよりも手軽な導入コストを武器に、日本勢のハイブリッド車(HV)市場を脅かす存在になりつつある。

 これまで日本の自動車業界では、

「PHVはEVへのつなぎ役」

という認識が広く受け入れられてきた。しかし、BYDの戦略を踏まえると、この認識は本当に正しいのだろうか。

 本来、EVへの移行を促すはずだったPHVが、逆にEVシフトの足枷となり、日本勢が電動化競争で遅れを取る原因になりつつあるのではないか。このパラドックスを掘り下げていく。

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