日産買収ではなく、ホンハイ「協業」の真意とは? 蜜月か支配か? 台湾企業の野望とEV戦略、政治リスクを読み解く
ホンハイ精密工業の劉揚偉会長が「日産株の取得は目指していない」と述べた一方で、協業の深化を明言。EV市場で競争力を失いつつある日産にとって、ホンハイとの連携は必要不可欠な選択肢となっている。しかし、この協業が単なる技術提携にとどまらず、ホンハイが主導権を握る可能性もある。
日産経営権の行方

ホンハイとの協業が日産にとって救いとなるのか、あるいは経営権喪失を招くのか、現時点では結論を出すことはできない。しかし、ホンハイが単なる生産請負企業にとどまらず、自動車業界での主導権を握ろうとしていることは明らかである。
過去の事例を見ると、ホンハイは協業を通じて関係を深め、最終的には経営に関与することが多かった。日産が今後の競争において単独での成長を目指すのは難しい状況にあり、ホンハイとの連携がより重要になる可能性がある。しかし、その関係が対等なものとして続くかどうかは、今後の展開次第といえるだろう。
日産が協業を通じて未来を切り開くのか、それとも徐々に主導権を失っていくのか――その行方は、今後の経営判断にかかっている。