ホンダ・日産「統合破談」あっけなく…戦略失敗か、新たなチャンスか? 鴻海が再び買収に動く? 複雑に絡み合う思惑を読み解く

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ホンダと日産自動車の統合交渉破談は、単なる企業戦略の失敗にとどまらず、日本の自動車産業が直面する構造的課題を再浮上させた。EV開発競争や海外資本の影響、産業政策との整合性が焦点となり、今後の方向性が業界全体を左右する分岐点となる。

統合破談で見えた未来の方向性

2025年1月23日発表。主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)
2025年1月23日発表。主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)

 ホンダと日産の統合交渉が破談したことは、単に「日産の買収劇」の再燃にとどまらない。

 本質的には、日本の自動車産業が抱える構造的な課題を改めて浮き彫りにした。規模の経済を追求するだけでは生き残れないこと、海外資本との関係をどう捉えるべきか再考が必要なこと、そしてEV・次世代モビリティにおける日本の立ち位置を見直す必要があることが明確になった。

 今、求められるのは「統合」や「買収」といった表面的な枠組みの議論ではない。業界全体としてどのような未来を描くべきかという視点が重要だ。

 この統合破談を単なる経営戦略の失敗と捉えるべきか、新たなチャンスと見るべきか。その判断が、日本の自動車産業の未来を決定づける分岐点となる。

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